福井市自然史博物館様の特別展に
ザゼンソウ(雄、雌)とカラスウリの香りを再現した
調合香料を提供しました。
2024年から文献調査から始め、
2025年の3月に岐阜県上市でザゼンソウ、
8月に福井県足羽山でカラスウリの現地調査を行いました。
ザゼンソウ(Symplocarpus renifolius)の開花は
雌、両性、雄の性相が順次発現します。
プロトジナス熱生成花序は不快な臭いがしますが、
その作用する化学組成は十分に解明されていません。
花の香りは
メス時期は土臭く腐敗したミント様の香り、
オス時期は腐敗した油様の香りを放ちます。
ザゼンソウ調査のまとめ
1. 雌時期
(土臭く、腐敗したミント様の香り)
匂いの主な原因は
2-イソプロピル-3-メトキシピラジンです。
これは土、青臭い植物、
カビ、ジャガイモの皮のような香りを作る
非常に強い臭気物質で、
ワインの「青臭さ」やピーマン臭の原因としても
知られています。
2. 雄時期
(土臭く、腐敗したミント様の香りから腐敗した油様の香りに変化)
理由としては特に硫黄化合物によるもので、
代表的なものは
・ジメチルジスルフィド(玉ねぎ臭)
・メチオン(じゃがいも臭)
・メチルジチオホルム酸エステル(にんにく臭) です。
この段階では腐敗臭系の硫黄香調が中心となります。
花全体の香りの骨格
花の揮発成分は約160種類検出されましたが、
その中でも常に多く含まれていたのは次の4成分です。
・3-メチルブチル3-メチルブタノエート
(発酵したフルーティ様の香り)
・1,8-シネオール
(ユーカリ・ミントなどに含有されるスッとした香り)
・ジメチルジスルフィド
(玉ねぎ臭)
・サビネン
(スパイシーグリーン調の香り)
これらの4成分で全揮発成分の約半分(52〜54%)
を占めていました。
花の段階で新しい成分が増えるわけではなく、
香りの変化は成分の種類ではなく「微量成分の割合の変化」
で起きています。
〈ザゼンソウプロフィール〉
和名:ザゼンソウ(座禅草)
英名:Asian skunk cabbage
科名:サトイモ科(Araceae)
開花時期:早春(2〜4月)
生育環境:湿地・雪解けの沢沿い
特徴的な性質
・発熱植物
開花時に内部温度を上げ(約20℃前後)、雪を溶かして咲く
・独特な香り
英名の “skunk cabbage” が示すように、
やや動物的・発酵的・湿地的な匂いを持ちます。
〈カラスウリプロフィール〉
和名:カラスウリ(烏瓜)
学名:Trichosanthes cucumeroides
科:ウリ科(Cucurbitaceae)
属:カラスウリ属(Trichosanthes)
分布:日本、中国、朝鮮半島
生育環境:林縁、草地、道端など
特徴的な性質
・花(非常に特徴的)
開花:夏(7〜9月)
夜に開花し、朝にはしぼむ一夜花
花弁の先がレース状に細かく裂ける独特の形
レースのような花は、
夜行性の蛾による受粉に適応した形と考えられています。
・香り
英名の “skunk cabbage” が示すように、
やや動物的・発酵的・湿地的な匂いを持ちます。
とても勉強になりました。
特別展は5月31日まで開催中です!
是非ご来場ください。
花のひみつ 美に隠された戦略
植物は昆虫や鳥を招き花粉を運んでもらうために、
目立ち香りのある花をつけます。
様々な色形の花と、植物が子孫を残すための多種多様な繁殖戦略をご覧ください。
開催概要
開催場所:福井市自然史博物館 特別展示室
開催期間:令和8年3月20日(金・祝)~5月31日(日)
開館時間:9:00-17:15 (入館は16:45まで)
休 館 日:毎週月曜日(祝休日は開館)、祝休日の翌平日
入 館 料:100円(中学生以下、70歳以上、障害者および付添1名は無料)
主 催:福井市自然史博物館
協 力:NPO法人中池見ねっと、神奈川県立生命の星・地球博物館、恐竜のしっぽラボ、
国立科学博物館、武田薬品京都薬用植物園、長野県環境保全研究所、
福井県衛生環境研究センター
後 援:福井新聞社、FBC、福井テレビ、FM福井、福井街角放送、福井ケーブルテレビ、
さかいケーブルテレビ
調合香料の提供
福井市自然史博物館
福井市自然史博物館様の特別展に
ザゼンソウ(雄、雌)とカラスウリの香りを再現した
調合香料を提供しました。
2024年から文献調査から始め、
2025年の3月に岐阜県上市でザゼンソウ、
8月に福井県足羽山でカラスウリの現地調査を行いました。
ザゼンソウ(Symplocarpus renifolius)の開花は
雌、両性、雄の性相が順次発現します。
プロトジナス熱生成花序は不快な臭いがしますが、
その作用する化学組成は十分に解明されていません。
花の香りは
メス時期は土臭く腐敗したミント様の香り、
オス時期は腐敗した油様の香りを放ちます。
ザゼンソウ調査のまとめ
1. 雌時期
(土臭く、腐敗したミント様の香り)
匂いの主な原因は
2-イソプロピル-3-メトキシピラジンです。
これは土、青臭い植物、
カビ、ジャガイモの皮のような香りを作る
非常に強い臭気物質で、
ワインの「青臭さ」やピーマン臭の原因としても
知られています。
2. 雄時期
(土臭く、腐敗したミント様の香りから腐敗した油様の香りに変化)
理由としては特に硫黄化合物によるもので、
代表的なものは
・ジメチルジスルフィド(玉ねぎ臭)
・メチオン(じゃがいも臭)
・メチルジチオホルム酸エステル(にんにく臭) です。
この段階では腐敗臭系の硫黄香調が中心となります。
花全体の香りの骨格
花の揮発成分は約160種類検出されましたが、
その中でも常に多く含まれていたのは次の4成分です。
・3-メチルブチル3-メチルブタノエート
(発酵したフルーティ様の香り)
・1,8-シネオール
(ユーカリ・ミントなどに含有されるスッとした香り)
・ジメチルジスルフィド
(玉ねぎ臭)
・サビネン
(スパイシーグリーン調の香り)
これらの4成分で全揮発成分の約半分(52〜54%)
を占めていました。
花の段階で新しい成分が増えるわけではなく、
香りの変化は成分の種類ではなく「微量成分の割合の変化」
で起きています。
〈ザゼンソウプロフィール〉
和名:ザゼンソウ(座禅草)
英名:Asian skunk cabbage
科名:サトイモ科(Araceae)
開花時期:早春(2〜4月)
生育環境:湿地・雪解けの沢沿い
特徴的な性質
・発熱植物
開花時に内部温度を上げ(約20℃前後)、雪を溶かして咲く
・独特な香り
英名の “skunk cabbage” が示すように、
やや動物的・発酵的・湿地的な匂いを持ちます。
〈カラスウリプロフィール〉
和名:カラスウリ(烏瓜)
学名:Trichosanthes cucumeroides
科:ウリ科(Cucurbitaceae)
属:カラスウリ属(Trichosanthes)
分布:日本、中国、朝鮮半島
生育環境:林縁、草地、道端など
特徴的な性質
・花(非常に特徴的)
開花:夏(7〜9月)
夜に開花し、朝にはしぼむ一夜花
花弁の先がレース状に細かく裂ける独特の形
レースのような花は、
夜行性の蛾による受粉に適応した形と考えられています。
・香り
英名の “skunk cabbage” が示すように、
やや動物的・発酵的・湿地的な匂いを持ちます。
とても勉強になりました。
特別展は5月31日まで開催中です!
是非ご来場ください。
花のひみつ 美に隠された戦略
植物は昆虫や鳥を招き花粉を運んでもらうために、
目立ち香りのある花をつけます。
様々な色形の花と、植物が子孫を残すための多種多様な繁殖戦略をご覧ください。
開催概要
開催場所:福井市自然史博物館 特別展示室
開催期間:令和8年3月20日(金・祝)~5月31日(日)
開館時間:9:00-17:15 (入館は16:45まで)
休 館 日:毎週月曜日(祝休日は開館)、祝休日の翌平日
入 館 料:100円(中学生以下、70歳以上、障害者および付添1名は無料)
主 催:福井市自然史博物館
協 力:NPO法人中池見ねっと、神奈川県立生命の星・地球博物館、恐竜のしっぽラボ、
国立科学博物館、武田薬品京都薬用植物園、長野県環境保全研究所、
福井県衛生環境研究センター
後 援:福井新聞社、FBC、福井テレビ、FM福井、福井街角放送、福井ケーブルテレビ、
さかいケーブルテレビ